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2021.11.16

Craif、尿中マイクロRNAからがんを早期発見する
『miSignal™(マイシグナル)』を2022年2月より提供開始
~本日よりWebサイトにて医療機関の導入受付・相談が可能に~

 Craif株式会社(所在地:東京都文京区、CEO:小野瀨 隆一、以下Craif)は、尿中マイクロRNAからがんを早期発見するがんリスクスクリーニング検査サービス『miSignal™(マイシグナル)』を2022年2月より医療機関を通じて順次提供開始いたします。また、本日より『miSignal™(マイシグナル)』Webサイト(https://misignal.jp/)にて医療機関における本サービス導入受付・相談が可能になりましたのでお知らせいたします。

■『miSignal™(マイシグナル)』の概要
 『miSignal™(マイシグナル)』は、がんの発症や進行、転移に重要な役割を果たすマイクロRNA(以下miRNA)を尿から検出するPCR検査です。独自の技術により尿中の微量なmiRNAを効率よく捕捉し、早期のがんリスクも高い精度で検出します。本サービス最大の特長は“痛みがない”という点です。医療機関へ尿を提供するだけで、負担なく気軽にがんのリスクチェックを行っていただけます。なお、2022年2月に提供を開始するマイシグナルの対象がん種は「卵巣がん」「肺がん」です。今後、研究開発の進捗とともに順次検査可能ながん種を増やしてまいります。詳細はWebサイト(https://misignal.jp/)をご覧ください。

※導入ご希望の医療機関はこちら(https://form.run/@misignal-support
※医療機関以外の方で、『miSignal™(マイシグナル)』に関する最新情報をご希望の方は、Webサイト上のフォームよりお問い合わせください。

プロダクトイメージ画像(2021年11月16日時点)

■サービス提供開始の背景
 日本におけるがんの罹患者数は、卵巣がんで13,049人、肺がんで122,825人(*1)、死亡率(対人口10万人)は、卵巣がんが7.5人、肺がんが60.9人です(*2)。卵巣は骨盤内臓器であるため、腫瘍が発生、増殖しても初期段階では自覚症状に乏しく、初診時約半数の症例がIII、IV期の進行がんであると言われています(*3)。近年の治療法の進歩により治療成績は向上してきているものの、初回治療の後、約7割が3年以内に再発をきたします(*4)。そのため、III期の5年生存率は46%、IV期は25.1%となっており、長期生存率は依然不良な状況です。予後改善のためには早期発見が重要ですが、未だに有用な検診手法が確立されていません。また、肺がんは、日本で亡くなられる方が最も多いがんです。喫煙者のリスクが高いことは知られていますが、近年は喫煙経験のない方の発症も増加傾向にあり、若女性の発症も多くなってきています(*5)。肺は生命に必須の臓器であるため、予後を良くするためには、がんが局所にとどまっている早期ステージのうちに発見する必要があります。現在、ハイリスクの方の検診手段として使用されることがある低用量CTは早期発見に有効な検査手段ではありますが、普及拡大には課題があります。一方で、現在比較的広く使われている胸部レントゲン検査では、予後が良い早期ステージのうちにがんを発見することが困難です。

 このように卵巣がん、肺がん領域は、新しい医薬品や治療法の開発が進歩しているものの、根本的に予後を改善するためには、早期のうちにがんを発見し治療を開始することが欠かせません。Craifは、痛みのない、手軽な尿検査によりがんを早期発見できる手段を開発・提供することで、がんの予後改善に貢献して参ります。

出典:
(*1)国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」2018年度(全国がん登録)
(*2)国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)
(*3)日本産婦人科学会婦人科腫瘍委員会報告2017年度患者年報
(*4)Ledermann, J. A., et al. “Newly diagnosed and relapsed epithelial ovarian carcinoma: ESMO Clinical Practice Guidelines for diagnosis, treatment and follow-up.” Annals of oncology 24 (2013)
(*5)Pelosof, Lorraine, et al. “Proportion of never-smoker non–small cell lung cancer patients at three diverse institutions.” JNCI: Journal of the National Cancer Institute 109.7 (2017)

■CEO小野瀨より今後にむけてのコメント
 2017年に祖母が大腸がんで他界した直後、祖父が肺がんと診断されました。これをきっかけに、がんという社会課題に強い関心を持つようになり、2018年にCraifを創業しました。創業以来、腰を据えて研究開発に取り組んでまいりましたが、ついにがんリスクスクリーニング検査を社会に提供できる事に喜びを隠しきれません。しかし、これは最初の一歩に過ぎず、これからもあくなき向上心を持って研究開発に精進いたします。がんに纏わる課題は広く深いです。検査可能ながん種の増加はもちろん、将来的には治療選択や予後モニタリングにも取り組んでいきたいと考えています。