尿がん検査「マイシグナル」を提供するCraif株式会社(所在地:東京都文京区、CEO:小野瀨 隆一、以下Craif)は、第42回 呼吸器外科学会学術大会にて、北海道大学病院 加藤達哉教授らと共同で実施した肺がんに関する前向き観察研究(*1)「北海道でのマイシグナルを用いた肺癌スクリーニングの有効性の検証」の成果を発表いたしました。今回の取り組みでは、マイシグナルの検査結果から肺がんのリスクが高いと判定された方が精密検査を受け、肺がんの疑いのある腫瘍が発見されました。その結果、手術によりステージ0の肺がん(AIS: Adenocarcinoma in situ)を取り除くことができ、完治に至りました。*1.特定の集団に治療や指導等による介入(通常診療と同じように実施される検査を除く)もせず、健康状態や疾病の発生を観察し、データを収集する研究手法
■ 取り組みの背景と目的
Craifは「人々が天寿を全うする社会」の実現を目指し、医療の中心を“治療”から“予防”へとシフトさせ、がんをはじめとした疾患の早期発見・早期治療に取り組んでいます。日本では高齢化が急速に進み、2人に1人ががんに罹患し、3人に1人ががんで亡くなる時代に突入しています。一方で、がん検診の受診率は約40%(*2)と、国際的にも低水準にとどまっています。特に北海道では、広大な地理的制約などが影響し、医療機関や人材の不足などにより、医療資源が限られており、他の都道府県に比べてがん検診受診率がどの部位も大幅に低いことが知られております(*3)。がん検診の受診率が低いことで、がんの早期発見が難しくなり、結果として重症化や医療費の高騰につながるリスクが高まっています。 こうした背景を受け、Craifは2023年、北海道大学や旭川医科大学、サツドラホールディングス株式会社などとともに、がん早期発見・早期治療に向けたコンソーシアム「CRUSH-Cancer」(*4)を設立。コンソーシアムの一環として、がん検診率が約6%(*5)と極めて低い北海道岩内町にて、尿がん検査「マイシグナル」を活用した肺がんの前向き観察研究を実施。また、がん啓発のイベントなどを通じた住民の意識向上にも取り組みました。がん検診の受診率を上げることはがんの早期発見に寄与するといわれており、高精度かつ簡便で自宅でも実施可能な「マイシグナル・スキャン」を活用することで、地理的な制約に起因する北海道の低い検診率という社会課題の解決に今後も貢献してまいります。 *2.国立がん研究センターがん対策情報センター *3.国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」国民生活基礎調査 都道府県別の受診率(2019) *4.Cooperative Research group for Urinary miRNA-SCREENING-Hokkaido-Cancerの略 *5.令和4年度地域保健・健康増進事業報告(厚生労働省)がんに関する統計・調査