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Research
Craif、EACR Cancer Genomics, Multiomics and Computational Biology 2026にて多がん種早期検出(MCED)に関する共同研究成果を発表
2026.06.01

 バイオAIスタートアップのCraif株式会社(所在地:東京都新宿区、代表取締役 CEO:小野瀨 隆一、以下「Craif」)は、2026年5月にドイツ・エッセンで開催された「EACR Cancer Genomics, Multiomics and Computational Biology 2026」において、国内多施設の研究者らと共同で、多がん種検出に関する研究成果「尿中マイクロRNAとその先へ:統合的small RNAプロファイリングによる多がん検出の精度向上」を発表しました。

■ 研究成果のポイント

・尿を用いた非侵襲的な多がん種検出モデル

10種類(膵臓、肺、乳房、卵巣、大腸、食道、胃、尿路上皮、前立腺、腎臓)のがん患者1,141名および健康成人267名の尿検体を用いてSmall RNA-seq解析を実施し、がん種別の診断モデルを構築しました。

・miRNAに加え、tRF・piRNAを統合することで検出精度が向上

従来のmiRNA単独解析に、tRNAおよびpiRNAを組み合わせることで、10がん種全体の平均AUCは0.07向上しました。特に前立腺がん、食道がん、胃がん、大腸がんで大きな向上が認められました。

・がん種ごとに異なる最適なsmall RNAシグナルを確認

前立腺がんおよび食道がんではtRF、腎がんおよび膵がんではpiRNAが検出性能の向上に寄与するなど、がん種ごとに最適なsmall RNAの組み合わせが異なることが示されました。これにより、がん種特性に応じた尿中small RNAパネル開発の可能性が示唆されました。

■ 共同研究概要

本研究では、従来用いていたマイクロRNAに加え、tRF、piRNAを統合的に解析することで、機械学習によりがん種別の診断モデルを構築しました。その結果、従来のマイクロRNA単独解析と比較して、tRFおよびpiRNAを組み合わせることで診断性能が向上しました。特に前立腺がん、食道がん、胃がん、大腸がんにおいて大きな性能向上が認められ、早期ステージを含む症例でも高い識別性能を示しました。

■ 共同研究機関(順不同)

白石内科クリニック、美しが丘病院、仙台オープン病院、岐阜大学医学部附属病院、弘前大学医学部附属病院、札幌南三条病院、三重大学医学部附属病院

■ 用語説明
  • piRNA (PIWI-interacting RNA):長さ24~30塩基程度の小さなRNAで、主に細胞の中で遺伝情報を守る働きをしており、不要な遺伝子の活動やウイルス由来の配列を抑える役割があります。近年では、がんの発生や進行との関連も注目されており、特定のpiRNAの量ががんの種類や状態を反映する可能性が報告されています。
  • tRF (tRNA-derived Fragment):タンパク質合成に関わるtransfer RNAが分解されてできる長さ15~50塩基程度の小さなRNAです。細胞増殖やストレス応答、がんの進行などに関与することがわかってきています。特定のtRFの増減は、がん細胞の状態や病気の特徴を示す指標となる可能性があると報告されています。
  • small RNA:短いRNA分子の総称で、代表的なものにマイクロRNA、piRNA、tRFなどが含まれます。これらは遺伝子の働きを調節する役割を持ち、細胞の増殖、分化、免疫応答などさまざまな生命現象に関与しています。がんを含む多くの病気でsmall RNAの発現パターンが変化することから、診断や治療効果予測のバイオマーカーとして研究されています。
■ EACR Cancer Genomics, Multiomics and Computational Biologyについて

 本学会は、欧州癌学会(EACR: European Association for Cancer Research)が主催する、がんゲノミクス、マルチオミクス解析、計算生物学分野に特化した国際学会です。世界各国から基礎研究者、臨床研究者、バイオインフォマティシャン、製薬・バイオテクノロジー企業の専門家が集まり、AI・機械学習の活用を含むデータ解析など、最先端の研究成果について活発な議論が行われます。近年のがん研究において重要性が高まるマルチオミクス統合解析やデータ駆動型研究を中心に、最新技術や解析手法、臨床応用に向けた知見が共有される場となっており、がん研究および精密医療の発展に大きく貢献しています。

  • 開催期間:2026年5月12日(火)〜2026年5月14日(木)
  • 開催地:ドイツ・エッセン
  • 公式ホームページ:https://eaucongress.uroweb.org/
■ Craifについて

 Craif(クライフ)はがん早期発見に取り組む2018年創業のバイオAIスタートアップです。尿をはじめとする体液から、DNAやマイクロRNAなど多様なバイオマーカーを高精度に検出する独自の解析技術基盤「NANO IP®︎(NANO Intelligence Platform)」とAI技術を融合し、がんの超早期発見・早期治療・早期復帰を可能にする革新的な検査を開発しています。バイオテクノロジーとAIの力を社会に広く届けることで、当社のビジョンである「人々が天寿を全うする社会の実現」を推進します。