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2024.01.22

Craif、北海道大学病院を中心とした地域医療機関と連携し、次世代がんリスク検査「マイシグナル・スキャン」を用いた 肺がんスクリーニングによる前向き観察研究を開始

Craif株式会社(所在地:東京都文京区、CEO:小野瀨 隆一、以下Craif)は北海道大学病院(所在地:北海道札幌市、病院長:渥美 達也、以下北大病院)と共同研究契約を締結しました。本契約の締結により、Craifと北大病院(研究責任医師:北海道大学病院呼吸器外科 教授:加藤 達哉)は、社会福祉法人 北海道社会事業協会 岩内病院(所在地:北海道岩内郡岩内町、院長:横山 和之、以下岩内協会病院)と連携し、北海道 岩内町、余市町の住民を対象とし、次世代(*1)がんリスク検査「マイシグナル・スキャン」を用いた肺がんスクリーニングの前向き観察研究(*2)を開始いたします。

本研究は、Craifが「マイシグナル・スキャン」を100セット無償提供し、肺がんのリスクが高い方(喫煙等)を対象に検査を実施することで、肺がんの診断率を評価します。また、年単位で追跡調査を実施し、肺がんの罹患率や予後への影響、これらに関連する因子を特定するプロジェクトです。
*1.尿に含まれるマイクロRNAをAIで分析するがん検査技術として業界初
*2.特定の集団に何の介入(専門家の治療や指導等)もせず、健康状態や疾病の発生を将来に渡って時間の経過とともに観察し、データを収集する研究手法

◾︎取り組みの背景と目的
日本では高齢化が急速に進んでおり、日本人の2人に1人ががんに罹患し、3人に1人ががんで亡くなるといわれています。しかし、日本のがん検診受診率は40%程度(*3)と国際的にも低い現状です。特に北海道では、地理的な事情から単位面積当たりの医療機関が少ないことや検診業務の人手不足も加わり、他の都道府県に比べ、がん検診受診率がどの部位も大幅に低いことが知られております(*4)。このような背景の中でCraifは2023年2月に、北海道の最先端医療機関等と連携して、がん早期発見に向けたコンソーシアム「CRUSH-Cancer(クラッシュキャンサー)」を設立し、北海道におけるがん検診受診率向上のための啓蒙活動を共に推進していくことを表明いたしました。

この度、コンソーシアムの一環として、医療技術協力いただいている北海道大学 加藤 達哉教授(北海道大学病院呼吸器外科)と地域医療を担う岩内協会病院と共に新たなプロジェクトを開始いたします。主な取り組みは、47都道府県の中で死亡率が最も高い「肺がん」を対象に行う、がんリスク検査「マイシグナル・スキャン」を用いた前向き観察研究です。がん検診の受診率を上げることはがんの早期発見に寄与するといわれており、高精度かつ簡便で自宅でも実施可能ながんリスク検査「マイシグナル・スキャン」を活用していただくことで、地理的な事情による北海道の低検診率という社会課題解決に貢献してまいります。
*3.国立がん研究センターがん対策情報センター
*4.国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」国民生活基礎調査 都道府県別の受診率(2019)

◾︎研究責任医師 北海道大学病院呼吸器外科 加藤教授からのコメント
北海道はその広大な土地と町村地域の過疎化と高齢化が進み、残念ながら検診率が全国で最も低い都道府県となっています。特に天候の厳しい冬期間は検診受診率がどうしても下がる傾向にあります。今回、前向き観察研究を行う予定の岩内地区は、47都道府県中肺がん死亡率が極めて高いとされる北海道の中でも最も肺がん死亡率の高い地域の一つです。喫煙率が高いことも理由として挙げられますが、この地区の検診受診率が極端に低いことがその理由として考えられます。これまでの肺がん検診のモダリティとしてX線・CTなどの画像をつかった診断法は検診会場や病院に行かなければならないという制約がありました。しかし、尿中マイクロRNAを用いた検診法は、採尿ですので一般の方がご自宅でも施行可能で、これを郵送するだけでよいという簡便性があります。本検診法は、特にこれから高齢化・過疎化がさらに進む北海道、いや日本全体においても検診活動に革命を起こす可能性があると私は期待しています。

我々は岩内協会病院、余市協会病院の協力を得て、尿を用いた検診法の有用性を検証するべく、本プロジェクトを是非積極的に進めていきたいと考えています。本研究が成就し、1人でも多くの方のがんが早期に発見され、治療まで結びつけることを目指したいと思います。どうぞご協力のほどよろしくお願いいたします。

研究概要
・目的:肺がん高リスク群に「マイシグナル・スキャン」を用いた肺がんサーベーランスを実施。その診断率を評価し、また追跡調査から罹患率、予後への影響、これらに関係する因子を推定することを目的とする。
・研究の種類:侵襲(*5)を伴わない、探索的前向き観察研究
・対象者:北海道岩内町、余市町在住者 100例
・期間:〜2025年3月
*5.研究目的で行われる穿刺,切開,薬物投与,放射線照射,心的外傷に触れる質問等によって,研究対象者(患者)の身体又は精神に傷害又は負担が生じること

■  がん早期発見・がん克服に向けたコンソーシアム“CRUSH-Cancer”について
CRUSH-Cancer(*6)は、Craif、サツドラホールディングス株式会社(所在地:北海道札幌市、代表取締役社長 CEO:富山 浩樹)社会医療法⼈北⽃ 北⽃病院(所在地:北海道帯広市、理事長:鎌⽥ ⼀)、社会医療法⼈元⽣会 森⼭病院(所在地:北海道旭川市、理事長:森⼭ 領)、医療法⼈社団静会 静和記念病院(所在地:北海道札幌市、理事長:川上 雅⼈)との5者間と、複数の医療機関より医療技術協力をいただいているがんの早期発⾒と早期治療を⽬的としたコンソーシアムです。次世代がんリスク検査(マイシグナル®︎)の医学的あるいは社会的な有効性を検証していく取り組みです。
*6.Cooperative Research group for Urinary miRNA-SCREENING-Hokkaido-Cancerの略

<CRUSH-Cancer参画機関>
1. Craif株式会社(所在地:東京都文京区、CEO:小野瀨 隆一)
2. サツドラホールディングス株式会社(所在地:北海道札幌市、代表取締役社長 CEO:富山 浩樹)
3. 社会医療法⼈北⽃ 北⽃病院(所在地:北海道帯広市、理事長:鎌⽥ ⼀)
4. 社会医療法⼈元⽣会 森⼭病院 (所在地:北海道旭川市、理事長:森⼭ 領)
5. 医療法⼈社団静和会 静和記念病院(所在地:北海道札幌市、理事長:川上 雅⼈)

<医療技術協力>
1. 旭川医科大学内科学講座 消化器・内視鏡学部門 教授 藤谷 幹浩
2. 北海道大学大学院医学研究院 消化器外科学教室II 教授 平野 聡
3. 北海道大学大学院医学研究院 産婦人科学教室 教授 渡利 英道
4. 北海道大学大学院医学院 外科学講座 呼吸器外科学教室 教授 加藤 達哉

■ 「マイシグナル・スキャン」について 
マイシグナル・スキャンは、がんの発症や進行、転移に重要な役割を果たすマイクロRNAに着目した次世代がんリスク検査です。本サービス最大の特長は“痛みがない”という点です。ご自宅で採尿するだけで、負担なく気軽にがんのリスクチェックを行っていただけます。現在の対応がん種は大腸がん、肺がん、胃がん、乳がん、すい臓がん、食道がん、卵巣がんの7種です。詳細はWebサイト(http://misignal.jp/)をご覧ください。 

■ 「マイシグナル・スキャン」の受検方法
「マイシグナル・スキャン」は、ご自宅で採尿するだけで体に負担なくがんのリスクチェックができるので、病院に行く時間がない方や、病院嫌いの方にも気軽に検査を受けていただくことができます。

■ Craifについて
Craifは、2018年創業の名古屋大学発ベンチャー企業です。尿などの簡単に採取できる体液中から、マイクロRNAをはじめとする病気に関連した生体物質を高い精度で検出する基盤技術「NANO IP®︎(NANO Intelligence Platform)」を有しています。CraifではNANO IP®︎を用いてがんの早期発見や一人ひとりに合わせた医療を実現するための検査の開発に取り組んでいます。

【会社概要】
社名:Craif株式会社(読み:クライフ、英語表記:Craif Inc.)
代表者:代表取締役 小野瀨 隆一
設⽴:2018年5⽉
資本⾦:1億円(2023年3⽉20日現在)
事業:がん領域を中⼼とした疾患の早期発⾒や個別化医療の実現に向けた次世代検査の研究・開発、次世代がんリスク検査「マイシグナル・スキャン」、がんに特化した遺伝子検査「マイシグナル・ナビ」の提供
本社:文京区湯島2-25-7 ITP本郷オフィス5F
URL:https://craif.com/