子育てをしながら、会社にインパクトある貢献をし続ける
Sakura Eri Maezono, Ph.D.R&D データサイエンス
水沼 未雅 Ph.D. Mika Mizunuma, Ph.D.
COO
小さいころから体の仕組み、体が機能するメカニズムに興味があったことから自然と薬学部へ進み、薬が体にどのように作用していくかを探求する薬理学を専攻。大学院では優秀な同期と切磋琢磨しながら研究をしましたが、サイエンスがどう社会に役立っていくかに興味が生まれ、成果を届ける役割を担いたいという思いが強くなっていきました。
博士号取得後は製薬会社で、科学的なエビデンスを製品の価値に繋げるメディカルアフェアーズという部署に配属されキャリアを積みましたが、もともとマーケティングなどのビジネスサイドへの興味が大きかったこともあり、コンサルティング会社に転職。サイエンスの成果を世に届けたい、という自分の興味の赴くままに、ヘルスケア関連の新規事業戦略策定や新製品戦略策定などを支援するプロジェクトで経験を重ねました。
その後、コンシューマーヘルスケアの分野で起業し、新しいサービスを立ち上げました。それが一段落つき、また本格的なサイエンスをやりたいと思い始めていた矢先、大学院の同期だった市川から「手が足りないから助けてくれ」とCraifへの誘いの声がかかったのです。その技術コンセプトと可能性に魅了され、気がつけば入社していました。Craifのプラットフォームは、がんだけでなくさまざまな疾患の早期発見や最適な治療の選択にも応用できる技術で、その展開の広さは魅力的でしたし、なにより最先端のテクノロジーのワクワク感が私を後押ししてくれたのです。
入社後は資金調達のためのストーリー作りや事業計画策定など、コンサルタント時代の経験を生かした役割を主に担っていましたが、会社の成長に伴ってR&Dや事業開発、広報や採用活動に至るまでカバーしなければいけないエリアが多岐にわたるようになりました。さまざまな専門性を持った人と出会うなか、組織として成長して物事を成し遂げて行くためには「自分がなんとかしなきゃ」と考えるのではなく、「チームとして達成できる仕組みを作る」という発想に変えていかなければなりません。自分ひとりで成し遂げられることは、とても小さいのです。
ひとつの例ですが、R&Dではマッキンゼーで使われている問題解決の手法を導入してチームに浸透させています。解くべき課題を特定し、解決できる粒度に分解をして、優先度をつけて実行していく。コンサルティングでは基本的なツールですが、研究でも効果は絶大です。
この背景として、大学院時代にアメリカのマサチューセッツ総合病院(MGH)に留学していたときの経験があります。私の知っていた、長時間かけて土日も休まずにひたすら研究・実験に打ち込む日本の研究スタイルと180度違い、MGHの研究者は平日は定時に帰り休みもしっかりとるにも関わらず、Natureをはじめとしたトップジャーナルに次々と論文を出しているのを目の当たりにし、その生産性の高さに衝撃を受けました。当時MGHで私のメンターとして指導してくださった先生は「重要な問題を見極めなければいけない、解くべき課題を特定し、仮説を立てるところが一番重要だ。そのステップを飛ばして実験をいくらやっても成果は出ない」といつもおっしゃっていました。彼らは問題解決能力に優れていたことが、今になってよくわかります。
Craifのメンバーも、当たり前のように問題解決のツールを使いこなすようになりました。迷走することが減り、コミュニケーションも円滑になることで生産性が大きく向上したことを実感しています。R&Dに限らず、一人ひとりがスキルアップできる環境づくりに今後も取り組んでいきます。
信じられないようなスピードでチームの拡大を経験すると、全員が同じ方向を向いて全速力で進んでいくのはそんなに簡単なことじゃない、ということに気づきます。そんななか、Craifが大切にする価値観を浸透させるためにはどうしたらいいか、と生まれたのが、Craifが掲げる5つのバリューです。
例えば「Focus on Goals」。Craifは徹底した目的達成主義を貫いています。会社全体で達成したいこと、それを個人のタスクに落とし込んだ目標を明確にし、何が何でも達成する。その仕組みとしてOKR(Objectives and Key Results)を導入し、全員で同じ目標を共有し、それを達成するために助け合っています。
とても大切にしているリーダーシップは「Be a Driver」という言葉に集約しています。リーダーシップとはマネージャーだけに求めるものでなく、自分が達成しなければならないことを責任をもってやりきることを意味します。それはすべてを自分でやるということではなく、自分の役割やゴールの達成にどれだけ責任感を持つかということ。必要であれば人を巻き込んで助けを借り、プロジェクトを最速で前に進めていけているか。一人ひとりのリーダーシップとチームの協力体制を強固にすることで、安心してお互いに背中を預けられるような組織にしていきたいという思いがあります。
これらのバリューをみんなが体現することで、Craifが大きく成長できると信じています。その過程でメンバーの急成長を見て気持ちが高まる一方、自分ももっと成長しなければ、と焦りも生まれています。メンバー一人ひとり、そして自分自身もストレッチし続けられるような、大きな目標を達成できる組織を目指し続けたいです。