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2022.01.24

Craif、国立がん研究センター東病院が共同研究を開始
頭頚部扁平上皮がんと直腸がんを対象に、診断・放射線治療における尿中マイクロRNA解析の有用性を検討する多施設共同研究を実施

 Craif株式会社(所在地:東京都文京区、CEO:小野瀨 隆一、以下Craif)は、国立研究開発法人国立がん研究センター(所在地:東京都中央区、理事長:中釜 斉、以下国立がん研究センター)と共同研究契約を締結しました。本契約の締結により、国立がん研究センター東病院(所在地:千葉県柏市、病院長:大津 敦)と、「頭頚部扁平上皮がんにおける尿中マイクロRNA解析の診断ならびに放射線治療」および「直腸がん術前化学放射線療法における尿中マイクロRNA解析の有用性」に関する多施設共同研究を開始いたします。

■2つの研究概要
1.頭頚部扁平上皮がんにおける尿中マイクロRNA解析の診断ならびに放射線治療に関する多施設観察研究
 頭頸部がんに対する放射線治療は、外科的手術と異なり機能・構造の温存が可能です。その一方で、治療後の早期再発の検出は早期の救済手術の適用を検討する上で重要です。放射線治療後の奏功性を直接確認するために、局所の生検を行うことは技術的には可能ですが、侵襲が大きいため、放射線治療による急性期有害事象の遷延につながることが問題とされてきました。尿中マイクロRNA(以下、miRNA)測定は侵襲がなく、プロファイルの検討により種々のがんの診断や再発予測が可能であることが示されつつあります。本研究を通して、尿中miRNAのプロファイルと放射線治療の奏功割合や予後との相関を分析することで、診断や治療に対する反応性や予後が予測可能か検討いたします。

2.直腸がん術前化学放射線療法における尿中マイクロRNA解析の有用性に関する多施設共同研究
 近年、放射線治療はがん治療において広く用いられています。放射線治療の最大の有用性は臓器を温存しながら根治的治療が可能であり、局所進行直腸がんにおいては術前化学放射線療法が標準治療のひとつとされています。あくまで手術を前提とした術前治療の位置づけですが、術前化学放射線療法でも病理学的完全奏功が20%前後で得られるとされていて、近年では臓器温存による患者QOL上昇の観点から、手術を回避し経過観察する選択肢も検討されています。しかしながら、経過観察中に再発する例も少なからず存在し、病勢を予測できるバイオマーカーの開発が望まれています。本研究では、直腸がんに対する術前放射線療法前後の尿中miRNAを解析することで、治療に対する反応性や再発が予測可能か検討いたします。